野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

大阪ダイハード

先日『マネーロンダリング』を読んだ時に、大きなカネが動くとその周辺にはあれこれと胡散臭い連中が群がってきて、一儲けを企むものなのであるなぁ、と感心したものだ。同じような話というのは公共工事とか産廃関連といった界隈でもよくあるようで、こちらはもう圧倒的にスジもん、それから、スジもんではないのだけどスジもんとのチャネルを持っていてカタギの(ということになっている)企業とのリエゾンとなるエージェント、という感じの面々があれこれ蠢くわけですな。

疫病神(新潮文庫)

疫病神(新潮文庫)

『疫病神』というのはそんな話で、主役は「建設コンサルタント」を名乗る二宮、つまり上記でいうところのエージェント、と、完全にスジもんの桑原だ。ちょっとした工事でもスジもんからなんやかんやと妨害やら嫌がらせやらをされることがあるようで、そういうのを面倒見ましょ、というまるで総会屋のような仕事があり、さらにそれを仲介する、というのがつまり二宮の仕事なわけだ。んで大きなカネの動く産廃処理場の建設プロジェクトがあり、そこで二宮所長、ちょっと一儲けをしようとしたらこれまたえらいことに巻き込まれてしまい、各方面から組関係者がわらわら出てきて、二宮くんがいつもお世話になっている桑原も絡んできてそりゃもう大変なことに。
ちょっと話がややこしくて、きっちり理解できていないような気がする。けどまあ、別にそれでも良いかなと思う。例によって大阪のあちこちを駆けずり回り二宮がボコボコにされるまさにダイハードな展開で、勢いに乗ってごりごり読めれば細かい話はもうどうでもよろしい。いやあ面白かった。
これも実写化したら面白いんじゃないかな。『後妻業』で結婚相談所の胡散臭い所長を豊川悦司がやってたけど、この桑原でも良いんでないかな。二宮は『煙霞』の森山未來ね。読みながらずっと浮かんでいたビジュアルはそんな感じだった。
てことでひとつよろしく。