高校生とか大学生のころ、大江健三郎の小説をあれこれと読みあさったものだ。それらの小説には必ずと言っていいほど、「壊す人」、「オシコメ」、「亀井銘助」といった人物が登場する、「谷間の村」に語り継がれる不思議な物語が引用される。
とはいうものの、それらはいずれも断片的なものであり、その物語の全体像が語られることはなかった。それをここで一気にいっときましょう、というのが『M/Tと森のフシギの物語』なわけだ。
- 作者: 大江健三郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/11/28
- メディア: Kindle版
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他の大江作品に負けないぐらいに読みにくい文章に難儀しつつ、でもそういうところがまた良いのよな、と思いつつだらだらと読んでいたらたっぷり2週間ほどもかかってしまった。
ちょっと休憩したら、また古い小説を読んでみたいなと、なんだか懐かしく思ったことだった。