『バー堂島』の続編『たそがれ御堂筋』を読んだ。
- 作者:吉村喜彦
- 発売日: 2020/10/15
- メディア: 文庫
前作でおなじみの、花屋のマロちゃん、お好み焼き屋の金田、イタリア人シェフのアントニオ、定年した元サラリーマンの山本、ブルースマン星川に毛坊主南方、といったあたりの面々に加え、薬剤師の麻美なんていう新キャラも参入してきて、しかしこれといってオチのない春夏秋冬の物語。
バー堂島のマスター楠木が一応は主役だが、上記の面々のキャラがなかなかにクセが強いのと、還暦近い楠木の傷み具合とが良い感じに絡んで独特の味わいになっている。手に汗握るサスペンスでもなく、泣かせる人情話というわけでもなく、ほどよいボヤキの入った他愛も無い話が、何ともブルージーではないですか。