野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

俺とあたしと私が語る衝撃のR18ミステリー

誉田哲也さんの小説と言えば、まずはあの姫川玲子シリーズを始めとした、いくつかの警察小説で、これはけっこうエグい内容のものも多い。一方で武士道シックスティーン(読んだこと無いけど)とかガール・ミーツ・ガールみたいな、元気な女の子が主役の痛快青春小説、というサワヤカ路線もある。
で、これらの要素をチャンポンにすると、元気一杯な女の子が、姉の死の真相を自力で調査していくと、やがておぞましい事実がわかってくる、というような話になる。

月光 (中公文庫)

月光 (中公文庫)


いやまことにひどい話である。これも救いがあるような無いような。それにしても主人公・結花の美しく優しかった姉・涼子は、ちょっと足りないのかそれとも菩薩なのか。なんとも不思議な感じがいたしましたです。
ちなみにタイトルの「月光」はもちろん、ベートーヴェンのピアノソナタ第14番。ポリーニ版をBGMにしたけど、グールドの方が変態っぽくてよかったかもしれない。
2時間ほどで一気読みでございました。