誉田哲也さんの小説と言えば、まずはあの姫川玲子シリーズを始めとした、いくつかの警察小説で、これはけっこうエグい内容のものも多い。一方で武士道シックスティーン(読んだこと無いけど)とかガール・ミーツ・ガールみたいな、元気な女の子が主役の痛快青春小説、というサワヤカ路線もある。
で、これらの要素をチャンポンにすると、元気一杯な女の子が、姉の死の真相を自力で調査していくと、やがておぞましい事実がわかってくる、というような話になる。
- 作者: 誉田哲也
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2013/04/23
- メディア: 文庫
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いやまことにひどい話である。これも救いがあるような無いような。それにしても主人公・結花の美しく優しかった姉・涼子は、ちょっと足りないのかそれとも菩薩なのか。なんとも不思議な感じがいたしましたです。
ちなみにタイトルの「月光」はもちろん、ベートーヴェンのピアノソナタ第14番。ポリーニ版をBGMにしたけど、グールドの方が変態っぽくてよかったかもしれない。
2時間ほどで一気読みでございました。