「ストロベリーナイト」、「ソウルケイジ」と読んで、まあ姫川玲子シリーズはこんなもんでもうええかな、と思いながらも「シンメトリー」を読んだ。なんだかんだでシリーズ最新作「インビジブルレイン」が出たってんで、やっぱり読んでしまうわけですな。
- 作者: 誉田哲也
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2012/07/12
- メディア: 文庫
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相変わらず色々とエグいわけだが、全体になんとも言えない緊迫感のある、シリアスな雰囲気の物語の中で、ときどき微妙にハズしてちょっと笑わせる手口がなかなか憎いですな。特に井岡の出てくるシーン。あそこだけ違う話になってないか?井岡っていうのは、「いなかっぺ大将」の西一みたいな、実際には存在しないけど、世間一般の人々がイメージする関西人のステレオタイプだな。はっきり言って、ストーリーの組み立て上、あそこで井岡が出てこなければならない必然性はまったく無いと思うのだが。まあある種のファンサービスなんだろうな。「ガンテツ」なんかも登場してきたし。さらに巻末には誉田さんと姫川玲子役の竹内結子さんの対談もあったりなんかして。
今回は牧田をはじめとするヤクザたちのキャラクター造形もなかなか魅力的だと思う。ちょっと映画が気になりますな。