野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

ヤバいセイバーメトリクス

以前「その数学が戦略を決める」を読んだときに、その中で「マネーボール」について紹介されていた。なんだか面白そうなので、いずれ読んでみなければと思っていたのだ。

メジャーリーグでは、資金力のあるチームは金にものを言わせて良い選手を集める事ができるから、それだけ強くなる。のかというと必ずしもそうではないらしい。オークランド・アスレチックスはリーグ内でも五本の指に入るぐらいの貧乏球団だが、実は勝率はやたら高い。プレーオフに進出することも多い。なぜか。良い選手を集めているからだ。金が無いのに?そうだ、実は年棒の高い選手が必ずしも良い選手というわけではない。だから「安くて、良い選手」を見抜くことができれば、無茶な投資をしなくても良い選手を集めることができる。それでは「良い選手とは一体いかなる選手か。それは、チームの勝ちに貢献できる選手である。当たり前のことのことのようだが、実は必ずしもこれを正しく評価できていないことが少なくない。だから、「良い選手」を安くで調達できるチャンスはしばしばある。ではどうやって「良い選手」を見つけるかというと、過去の試合における各種の客観的なデータの蓄積から、チームの勝利に相関の強いいくつかのパラメータに着目するわけだ。それらのパラメータに基づいて算出したスコアの高い選手が良い選手だ。なるほど。実に面白い。アスレチックスのGM、ビリー・ビーンが上記のような評価方法で見つけてきた他球団の選手を、トレードで引き抜こうとすっとぼけながら交渉する様子も面白い。
面白いのだけど、なぜだかこの本を読み切るのに一週間もかかってしまったなあ。ビリー・ビーンってあんまり野球が好きではないのだろうな。だからこれだけ選手の評価も客観的にできるのだろう。勝てる野球、て必ずしもエンタテインメント的に魅力のあるものとは限らない、そんな気もする。いや、野球のことはよう知りませんけどね、なんとなく。
ちなみにこれはブラッド・ピット主演で映画にもなってるけど、映画になるんだろうか、こんな話。少し前にWOWOWでやってたから一応HDDレコーダーに録画はしてある。そのうち観てみることにしよう。