野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

あんまり安くなってないし

重い本を持ち歩くのが楽、というのもKindleの利点のひとつだ。
ということでクリステンセンの「イノベーションへの解」をKindleで。
卓越したテクノロジーでマーケットリーダーになっているハイテク企業が、他社の破壊的イノベーションによりマーケットからの退場を余儀無くされるまでのプロセスを解説したのが、名著の呼び声が高い「イノベーションのジレンマ」だ。
うん、それはわかったけど、じゃどうすれば良いっていうの!?
という問いに答えるのがこの「イノベーションへの解」だろう。

イノベーションへの解 (Harvard business school press)

イノベーションへの解 (Harvard business school press)

その解答が理解できたのか、と問われると、うーん… なのだけど。翻訳の本ってのはなんだか独特の読みにくさはありますね。
コモディティ化が起こっているとき、同時にそれを補完するかたちでバリュー・チェーンのどこかで脱コモディティ化が起こっている。というのは、なかなか朗報だし、そこを狙って市場破壊を仕掛けるべし、というのは道理だなと思う。しかしその脱コモディティ化の具体例がどうもうまく読み取れなかった。他にも、「意図的戦略」と「創発的戦略」の使い分けなど、なかなか面白い内容だと思うのだが、いかんせんこちらの理解力がついていかない。そのあたりがどうにも残念。だけど市場破壊のバリエーションなんかも含めて、なんとかして身につけておきたい思考のフレーム、という感じはしますな。もうちょっと精進が必要、と思わされた一冊ざます。