福岡ハカセの明るい悩み相談室

書店で、「遺伝子はダメなあなたを愛してる」なんていう素敵なタイトルの本を見つけた。
なんでこの俺様がダメ人間だなんて決めつけるんだ、失敬な！ていうかそれは極秘情報だぞ！と思いながらレジへ持って行った。そりゃもう、福岡ハカセの著作で、しかも文庫本ですからね。何も考えずに「お買い上げ」で良いのですよ。

遺伝子はダメなあなたを愛してる (朝日文庫)

ロジカルにしてリリカルな美文、というのが福岡ハカセのテクストの魅力だと思う。ただこの本は少しテイストが違う。扱うネタは割とどうでも良いというか、「だから何？」的な問いかけというか独り言に近いようなものだ。それを、最新の分子生物学の知見であったり歴史のトリビアであったり西洋美術に関する薀蓄であったり、あるいはハカセご自身の少年時代の思い出であったり、というものと絶妙にからませながら、いつもよりもう少しコロキアルな語り口でお話を広げていくわけだな。これがまたなんとも言えず楽しいのですよ。
実際のところ、タイトルと関係のある話はほとんどない。でも、まあそんなこといいじゃないですか。
福岡伸一？誰それ？なんていう人が、ついうっかりタイトルに釣られて手に取ってしまっても、きっと大丈夫。お楽しみあれ。面白さは俺様が保証する。責任は取らないけどね。