野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

柚子入ってます

久しぶりに出張ですわ。いわきに日帰りで。
死んでまうっちゅうねん。
とは言ってもまあ朝はいつもより少しゆっくり目に出る感じで。何がたまらんって、昼食と夕食の両方が電車の中で弁当ってのがね。昼はシュウマイと海鮮中華おこわだったので、夜は崎陽軒シウマイ弁当、というわけにもいかず、握り寿司ですよ。しかも、ビールも飲まずに。
いわき16:18発の特急に乗って、東京で新幹線に乗り換えて、家に帰り着いた時には22時半を回っていた。これがもし16:18に乗れず1時間遅い特急だったらどうなっていたことか。そういえば熱海あたりで豪雨のせいか停電したとかでダイヤが乱れていたようだ。名古屋の手前あたりで何度も止まったり徐行したり。だから、いわきを出るのが1時間遅かったら帰宅できるのは単に1時間遅くなるのではなくて、小田原とか熱海あたりで足止めを食らっていたかもしれんな。こりゃたまらんぜよ。
そんな訳で今日はもう、御門屋の揚げまんじゅう(夏バージョン)食べて寝ますよ。

どの辺がFuji Rockなのかよくわからんがとりあえず美味かった

ふだん野球なんぞまったく見ないのに、高校野球の開会式を見てしまった。いやほんと、何もこんなクソ暑い時季の炎天下に野球なんぞやらんでも良いのに、と思うが、みなさんご苦労なことだ。今時は開会式の最中に給水タイムがあるんですな。しかしまあ高野連の会長にしても文部科学大臣にしても、みんなスピーチの中で「しっかり体調管理をして熱中症にチューイ」てなことを述べてらっしゃるわけだが、そんなこと言うぐらいなら、てめえの演説をできるだけ手短に済ませてやれよ、と思うのよな。
始球式で星稜高校の松井先輩がワンバウンドで投げたのを見届けてから家を出た。
暑いですなあ。いちいち言わんでも良いことだけど。
髪を切って、梅田に出て泳いで、遅い昼食にラーメン食べて、しばしうろうろ。夕方になって茨木に戻り、Feelgood Factorでぷしゅーっと。志賀高原ビールのSNOW MONKEY IPAFuji Rock versionですってよ。
お腹空いたのでフィッシュアンドチップス。ここで食べたの初めてじゃないかな。

フィッシュアンドにはBREWDOGのElvis Juiceですな。美味いよこれ。

さらに隣のハポロコへ移動し、タパスをつまんでマンサニージャ

そしてBeltaへ行ったら、PACINAが出てきた。

てなわけで、すっかり出来上がってしまいましたです。あとはもう風呂入って寝るだけ。ソファで寝落ちする前に歯磨きをしないと。

どこがローマやねん

土曜日の午後に、梅田のどこぞで昼メシを食べよう、という時どうするか。もちろん選択肢は無数にあるわけだが、最近そこかしこで見かける「ローマ軒」へ行ってみることにした。焼きスパゲティの店、である。
選ぶのはもちろん、ナポリタン、である。

並で400g、てあーた…
残念ながら完食はかなわなかった。いや、不味いわけじゃないんだけど、味濃すぎるっちゅうねん。ケチャップ食ってるみたいでっせ。粉チーズとタバスコもどばどばかけるべきなんかな?んなもん味覚が破壊されるわい。
ひょっとするとここはせんべろ店として使うべきなんちゃうか。わたくしが行ったのはホワイティ梅田の店で、ここは500円でカヴァが30分間飲み放題。たとえばソーセージなんかを注文してひたすらカヴァを飲み倒すのだ。第3ビルの店なんかは生ビールが飲み放題らしいし。
…想像しただけで気持ち悪いわ。おっさんにはキツいぜ、いろいろとな。

カッパの祟りとかその他いろいろ

あれま小野不由美さんの新作ですか。そんなもんよりとっとと『十二国記』の続きを書いてくださいよ、と思いながらも『営繕かるかや 怪異譚』に手を出す。

いや、怖いよこれ。勘弁してくれよ。夜中にトイレ行けなくなるよ。いま住んでるマンションは大丈夫だけど、盆休みに実家帰ったら、ちょっと辛いもんがあるよこれ。袖廊下の奥にある部屋の前に箪笥を置くなんてやめてくれよ。でその部屋の襖が閉めても閉めてもいつのまにか勝手に開いてるとかさ。
適切な手入れをされない古い日本家屋ってのは、何かと問題を起こすんだろうな、知らんけど。それを解決するのが営繕屋の尾端というどこかトボけた青年、てわけだ。尾端くん、別段「視える人」ではない。霊能者でも陰陽師でもない。家屋の不具合を修繕するだけだ。ただ、何となく障りがあるのはわかって、なぜかその解決方法を知っている、でもどういう理屈なのかはわからない、というのが面白い。
ビビりながらも大変楽しく読みました。でもそろそろ『十二国記』を再開されてはいかがでしょうか、小野先生。

ディスるつもりは無いんですよ。でもなんだかモヤっとするなあ。

破壊的イノベーション(disruptive innovation)、なんてことをクリステンセンが言い出したのは1990年代半ばごろのこと。disruptionという単語にはもともと分裂とか中断なんていう日本語があてられている。確かに、それまでのゲームのルールをチャラにする、不連続な変化。というイメージを上手いこと表している単語だと思う。「破壊的」という日本語はどちらかというとdisruptionによりもたらされる結果にフォーカスしている、という感じはしますわな。
でクリステンセンの『イノベーションのジレンマ』からかれこれ20年以上が経過している。その間に同書の中で紹介されたケースに類似の事例には事欠かず、さらには破壊的イノベーションによる勝者が、また次の破壊的イノベーションにより消えてゆく、というような事例まで出てくる始末。沙羅双樹の花の色、ですな。
そんな諸行無常の世の中をdigital vortexなんていう言葉で表してみる。そう、デジタルの渦。近づくまではなかなか気づかない。気づくぐらいまで近づいた時にはもう手遅れで、渦に飲み込まれて、あーれー。
そんな時代にサヴァイヴするにはどうすりゃいいのさ、ということで、デジタル・ボルテックスに巻き込まれそうなアナタのための『対デジタル・ディスラプター戦略』ってか。

対デジタル・ディスラプター戦略 既存企業の戦い方

対デジタル・ディスラプター戦略 既存企業の戦い方

クリステンセンがディスラプションについて語り始めた頃よりも、その破壊力はより大きくなり、スピードはいっそう速くなっている。市場にディスラプターが登場すると、そこでの価値を破壊し既存のプレイヤーから利益を分捕り、後にはぺんぺん草一本生えない状態にする。こういうのをバリュー・バンパイヤと呼んだり、またその荒廃しきった市場の隣ぐらいにぽこっと価値の空白地帯が現れる、これをバリュー・ベイカンシーと名付けてみたり。正直なところクリステンセンの理論から本質的な部分はそう大きく変わってない気はするけど、まあこういう目新しい言葉を使うと、「おっ」と思いますわな。で、それに対抗する戦略は、稼げるだけ稼いで店を畳んで逃げるか、辛うじてまだ儲けられそうなところに引っ込むか、バリュー・ベイカンシーを見つけてそこで勝負をかけるか、あるいは、自分もディスラプターになるか。はーなるほどねえ。そしてこういう戦略を実現するのに必要なのが「デジタルビジネス・アジリティ」で、これすなわちIoTやアナリティクスを活用したハイパーアウェアネスと情報に基づく意思決定力、そして迅速な実行力です、と。そりゃまあそうでしょうけどねえ。なんかもう、胡散臭いコンサルに騙されたりしないように、しっかりせねばなりませんなあ。

まだ丞相でなくて司空なんですよ

WOWOWの『三国志司馬懿 軍師連盟〜』は、一回分が短いうえに各エピソードが妙に中途半端なところで終わるので、つい2回とか3回分を観てしまうので困る。考えてみればこれは『24』の時もそうだったな。もっともこちらはとても24話では終わらないのだけど。
このドラマの面白いところは、観ててこちらがあれこれ突っ込みたくなることを、かなりの確率でそのままセリフとして代弁してくれることだな。楊修とか司馬懿が、べらべらと理屈を述べ立てるシーンでは思わず「まーた口が達者なやっちゃな」と思わず呟くと、次の瞬間には曹操あたりがニヤリとして「弁が立つな」と言う。曹操司馬懿を登用しようとするのを体良く断るために、自分の足をわざと荷馬車に轢かせて「サーセン、足が折れたので出仕できません」などとやってる司馬懿に「いや、そんなんバレバレやで」と感想を漏らすと「司空(曹操のことね)はお見通しだぞ」と楊修その他3名ぐらいに次々と警告される。いやはや。
ところで件のドラマを観ている時に怪奇現象が起きた。荀彧と楊修の会話のシーンで、なぜかテーブルの上に置いていたわたくしのiPhoneのSiriが起動した。何だ?と思ったが、どうやら荀彧と楊修のどちらかのセリフに反応したようだ。問題のシーンを巻き戻して、もう一度再生してみる。またSiriが起動した。なるほど、そういうことか。しかし、具体的にどのセリフに反応しているのかまでは残念ながら特定できなかった。どれだけじっくり聴いてみても、"Hey, Siri"と聞こえるような部分は無いのだよなあ。
というわけで、なかなか楽しいドラマだ。飽きるまではしばらく観ようと思う。

「司馬防」の発音が「スマホ」に聞こえますけど

いまや韓流ドラマなんてのは珍しくもないが、WOWOWでは中国歴史ドラマなんてのまでやっている。今は『三国志 〜司馬懿 軍師連盟〜』というにをやっていて、司馬懿が主役だったりする(以前にはやはり三国志趙雲伝なんかもあったようだ)。
へえ、そうきますかと思って何となく観たらこれが意外と面白い。話は曹操のかかりつけ医・華佗が頭痛に悩む曹操に開頭手術を勧めて処刑されるあたりから始まっている。話はなかなか面白いのだが、登場人物に顔の区別がつかなくて困る。特に郭嘉と荀彧(じゅんいく)に区別がつかない。これ何とかならんもんだろうか。というか中国人にはやはり、ちゃんと区別がついているのだろうか。
それにしても1時間枠の中で、導入部分であるとか終わりの方の予告編的なものが異様に長く、ドラマとしての正味の時間は40分も無いんじゃないかと思う。そして、全86話(第1部42話、第2部44話)っていうんだから恐れ入る。これ、週一で放送して2年ぐらいかかるってことじゃないか。なんとも気の長い話だ。
今はまだ董卓がやられて、袁紹がくすぶってる辺りだ。このころの話なんてほとんど覚えてない(じゃあそれより後ならよく覚えてるのかっていうと別にそうでもないんだけど)。あらためて北方謙三版の『三国志』を読み直してみるべきなのだろうか。あるいは目先を変えて宮城谷昌光、あるいはベタに吉川英治。いや、わたくしだってそんなにヒマなわけじゃないのだ。
もうちょいドラマ観てから考えようか。