野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

柳広司とは

4月15日のエントリに「トーキョー・プリズン」を読んだ話を書いたところ、「知り合いやねんから作者を紹介したらんかい」というコメントをいただき、まあ考えときまっさ、と適当なことを書いていたら、「めんどくさいんやろ」と失敬な追加コメントをくらってしまった。
そんなんちゃいます。一応本人にメールで了解をとってたんですー。



さてそんなわけで、柳広司氏について語ってみたい。
まず、名前を間違い易いので注意。うっかり「柳公司」と書いてググってみても、やたらと中国語のページばっかりがヒットするはずだ。
そんなことはまあどうでもよくて、僕とどういう関係なのかというと、大学のクラブの1年後輩にあたるのだった。彼は大学に入ってすぐに剣道部に入ったらしい。が、あまりにも体育会な剣道部だったので1年でやめてしまった。2年にあがったときに、レスリング部に入ろうと思い、見学に行ったのだけどなぜか練習をしていなくて、かわりに僕が所属していた某部が体育館の入り口に近いところで練習しており、その部のとある先輩(ワタクシではありません)に、体育館に入ってきたところでトラップされてしまったわけだ。そのままあれよあれよという間に拉致され、そのまま飲みに行って家に帰れなくなり、前出のとある先輩の下宿に泊まり、翌日(土曜日)はまたそのまま練習に連行され・・・と、なし崩し的に某部に入部してしまったような次第だ。
そんな彼だが、はっきり言って見た目はイカツい。角刈りで、殺し屋のような目つきをしていた。なので、「ゴルゴ」もしくは「ゴルやん」と呼ばれていたものだ。また、剣道部退部→レスリング部入部未遂、という経歴を見てもわかる通り、はっきり言って武闘派だ。酔うとモノに当たる傾向がある。試合の打ち上げの後など、大抵どこか怪我をしていた。
そんな粗暴な輩かと思えば、実はなかなかの知性派でもあるのだ。そもそも、学部は法学部だった。ちょっとそんな風には見えにくかったけど。実際にはかなり頭の切れる方で、かつ理屈っぽい。といっても、そんなにウザくはない。むしろ、飲みながらお互いに屁理屈をこねて楽しむという感じだった。
そんな彼も、大学を卒業したら普通に就職し、会社勤めをしていた。と思っていたら数年後に会社をやめてしまったと聞いた。しばらくすると、作家デビューし本を出したと、いう案内のハガキが来たので買って読んでみた。それが「黄金の灰」。けっこう面白かった。それ以来、彼が書いた本はだいたい読んでる。新刊が出る時にはハガキで案内をくれる。歴史上の人物や事件を題材にしたミステリー、という感じの作品が多い。今まででは「新世界」が一番好きかな。テーマは結構ヘヴィだけど、良質のエンタテインメント、ちゅう感じでね。
自分の知ってる人間が小説を書いてて、それを読むっていうのは、普通とはまたちょっと違った感じで面白い。へーあいつがこんな事書くんかぁ、とか、逆にいかにもやなあ、とか、あるいはよくこんな事考えつくなあ、とかね。また、もうすぐ新刊が出るそうだ。やりますなあ。