「ローマ人の物語〈28〉すべての道はローマに通ず〈下〉 (新潮文庫)」を読み終わった。今回は図表や写真が多いので、いつもより早く読めてしまうのだ。
ローマ人の物語〈28〉すべての道はローマに通ず〈下〉 (新潮文庫)
- 作者: 塩野七生
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/09
- メディア: 文庫
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文庫版の上巻も合わせて、確かハードカバーでは第10巻に相当するのだったと思うが、この巻のテーマは「ローマのインフラ」だ。上巻では「ハードなインフラ」としての道路、そしてこの下巻ではもうひとつの「ハードなインフラ」である水道、そして「ソフトなインフラ」である医療・教育制度について書かれている。今から2000年ほども前に、ハード・ソフトともにこれだけ完成度の高いインフラを作り、システムを確立していたということには驚いてしまう。特に、今のような便利な道具などほとんど無い状態で、あの広大な帝国全域に街道を張り巡らし、水道を通しまくるとは。それも、詳しいことはよくわからんが決してチャチなものではなくて、かなりレベルの高いものらしい。土木や建築の素人からすると、当時から19世紀ぐらいまで、これらの分野ではほとんど技術革新といえるものは無かったのと違うか、とさえ思ってしまう。
しかし、これらが立派なものであればそれだけ、「ではなぜローマ帝国は滅亡したのか」という疑問が出てくる。んでまあ、その答えは以降のシリーズでぼちぼちと解明していきますよ、てなわけだな。