伝統的な国際政治経済における主流派である三つのイデオロギー:重商主義、自由主義、マルクス主義、は近代合理主義に基づいている。近代合理主義とは、世界を客体化し、そこから距離をとって観察・モデル化して分析すること、というような話から「市民派のための国際政治経済学」は始まる。
- 作者: 清水耕介
- 出版社/メーカー: 社会評論社
- 発売日: 2002/02
- メディア: 単行本
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これら主流派の理論を作り上げたのは、アングロサクソンで中流階級出身の英語圏の男性である。何かをモデル化するっていうのは、基本的には余分なものを取払い、ものごとをシンプルにすること。だから彼らが世界をモデル化するときには当然、彼らにとって重要でない(と思われる)要素は無視され、切り捨てられる。そういうモデルから作られた理論に基づく政策にしたがって世界が動いていけば、モデル化において無視された要素に関してはなにがしかの不都合がある、ということが当然起こりうる。そのひずみが、いまの世の中で発生している諸々の問題なのよ、とまあだいたいそんな感じの話かと思うのだがどうだろう。違うのかな。イマイチ自信なし。
最初パラパラとページをめくってみたときは、ああ割と簡単に読めるかなとタカをくくっていたのだが、なんとまあ、かなり苦戦してしまった。まあケインズとかマルクスは仕方ないにしても、フーコーだのガタリだのまでが出てくるとは想定外だった。たぶん半分も理解できてないね、残念ながら。
驚いたのは、政治学や社会学の研究行為は、その研究対象とは分離されない、研究により得られる知識はまたその研究対象の一部となり、あるいは研究対象を再構築していく、ということ。再帰性(リフレクシヴィティ)とかコンストラクティビスムと言われるのだそうだが、これはちょっと衝撃的だな。
昔々に途中で断念したフーコーに、再チャレンジするか。