野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

そうか「よもぎふ」か

某Rさんから時折お借りする大量の本を、個人的に「R文庫」と呼んでいる。以前「カシスの舞い」をリクエストしたら、第二期R文庫に入れてくれていた。えらいすんまへん。

カシスの舞い (新潮文庫)

カシスの舞い (新潮文庫)


この帚木蓬生というヒトは現役の精神科医で、医学ネタが結構多い。これもそのうちのひとつと言えるが、いやあ、グロい話だ。グロいのだけど、この人の場合は良くも悪くもどこか上品というか何というか。救いの無い話にはしてない。どれだけ悲惨な話でも、ハッピーエンドとは言わないけれど、それなりの落ち着け方をしてくれている。ご都合主義に陥らないようにしつつ、こういう落とし方ができるっていうのも結構すごいんじゃないかと思うけど、どうでしょ。
話の舞台はマルセーユで、帚木さんが実際に留学していたときの体験をもとにして書かれているのだろう、リアリティがある。特に、フランス人に剣道を教えるあたり。あーこういうふうにやってはったんやなあ、と感じられて面白い。
でもやっぱりフランス人の登場人物の名前を覚えるのにはちょっと苦労したな。