先日読んだ鷲田センセの本「てつがくを着て、街を歩こう」の中で、「『いき』の構造」という本について取り上げられていた。
有名な本だ。名前だけは知っている。とりあえず読んでみなければ。
- 作者: 九鬼周造
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1979/09/17
- メディア: 文庫
- 購入: 14人 クリック: 49回
- この商品を含むブログ (79件) を見る
タイトルどおり、「いき」について「野暮」「意気」「渋味」「甘味」「上品」「下品」「派手」「地味」という関連する八つのキーワードで構造化し、説明しようとしている。「いき」だけではない、「さび」「雅」「味」「乙」「きざ」等についても、前記のキーワードを頂点とする立方体において、これらがどこに(どの領域に)位置する概念なのか、という考察を行っている。
なるほどこれは面白い。だけど、本当にこういう構造で考えるのが適切かはちょっと疑問だ。ここでは「派手」ー「地味」軸と「上品」ー「下品」軸は直交している。また、「意気」ー「野暮」軸と「渋味」ー「甘味」軸も同様に直交している。一般に、軸が直交するということは、すなわちそれぞれが独立変数である、というふうに理解される。しかるに、例えばあまりにも「派手」なものは「上品」とは言えず、極端な「甘味」は「野暮」なのではないのか。そうすると、これらの軸は直交していないように思えるのだがどうか。
てな事を鼻息荒く述べ立てるのは、「野暮」だよなきっと。