- 作者: ドストエフスキー,江川卓
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1969/12
- メディア: 文庫
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前半はなかなか進まなかったが、後半は結構一気読みに近かったと思う。だけど、読むのがつらかった。あまりに痛々しすぎる。図らずも、先日の秋葉原における無差別殺傷事件があった直後でもある。こうやって肥大した自意識をもてあまして引きこもる人々が、現代の日本にはひしめいているのではないだろうか。なんだか「キャッチャー・イン・ザ・ライ」を読んだときと同じような感じを受けた。くだくだしく続く自虐的な自己分析と負け惜しみの数々。一方で自分を取り巻く社会と他者に対する糾弾と自身の正当化。読んでてイライラする。疲れる。でも人ごとのような気がしない。
なんだか中途半端なところで終わっているように思うが、彼はいつか救われるときが来るのだろうか。