世間ではリーマン・ブラザーズの経営破綻が云々、とどうも辛気くさい話題が取りざたされている今日この頃。本ぐらいはもうちょっと景気の良いものを読んだら良さそうなもんだが、よりによって落ち目のローマ帝国についてのお話、「迷走する帝国」の下巻だ。
ローマ人の物語〈34〉迷走する帝国〈下〉 (新潮文庫 し 12-84)
- 作者: 塩野七生
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/08/28
- メディア: 文庫
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まったくさんざんな目にあっている3世紀のローマ帝国だが、なにも当時の皇帝が揃いも揃ってボンクラばっかりだったわけでもなさそうだ。だけど悪い流れっていうのはあるんだな。こういう時はもう、どれだけ気の利いたトップが現れても、ちょっとやそっとではカタストロフィに向かって動き始めている大きなモメンタムを止めることはできないんだろう。
ローマ皇帝っていうのは終身制で、ということは、「だめだこりゃ」ってときに不信任にするシステムが無いってことなのだ。じゃあ「だめだこりゃ」で不信任のときはどうするかって言うと、殺してしまうのね、皇帝を。なんとも野蛮な話だよまったく。