むーん。何じゃこの本は。
「異形にされた人たち」という本を読んだ感想はそんな感じ。
- 作者: 塩見鮮一郎
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2009/01/26
- メディア: 文庫
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賤民として差別されてきた人たち、というよりそういう人々を「異形の人」とみなす近代、ことに明治維新以降の我々日本人のメンタリティというか、物の考え方みたいなものが実は主題になっている。どうやら色々なところで書いた文章をコンパイルしているためか、どうも散漫な印象を受けるのだが、それでいて最後はだいたい同じようなところに着地するというのが何だかすごい。特に最後の「差別と天皇」。なんでここでいきなりそんな話が?と思っていると、あれよあれよと言う間に話はそれなりのところに落ち着いていく。まるで手品を見るようだ。それだけでもこの本は面白い。
作者からすると不本意な読まれ方のような気はするが。