野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

してやられた

本日は神戸に行く予定だった。兵庫県立美術館で開催中の「ピカソとクレーの生きた時代展」を観たかったので。ちょうど神戸祭りの開催期間にあたっていて、人出が多そうでイヤだなあと思っていた。ところが昨日、神戸で豚インフルエンザ感染者が出たとのことで、神戸祭りは延期になった。おお、感染者および神戸祭り関係者には申し訳ないがこれは運が良い、と罰当たりなことを思っていたら、きっちり罰が当たった。兵庫県下の人が多く集まる施設は軒並み休館/休業となっており、当然ながら美術館もその例外ではない。すなわち兵庫県立美術館も休館と相成った。
危なかった。たまたま朝刊で見ていたから知ったのだが、新聞を読まずに出かけていたら思い切りスカを喰らったところだ。
さてどうしたものか。今日はすっかり美術館の気分になっているのに。ということでしばし協議した後、かねてから妻が目を付けていたMIHO MUSEUMへ行くことに決定した。
この美術館は信楽の山奥にあり、公共交通機関を利用していくのはいささか厳しい。ということで車で行った。これだけアクセスの悪い場所にあるのだし天気も良くないので、おそらく客は少なかろう。雨の日曜日に閑散とした美術館というのもオツなものだ。などと思っていたら、随分と人の多いこと。外国からもツアーで来ていたりするようだ。なんてこった。
まあそんなことはどうでもよろしい。人里離れた山奥にあるこの美術館は、その立地と周辺環境が素晴らしい。今日みたいな雨の日は、緑がいっそう濃く大変に気分がよろしい。敷地は広大で、門からチケット売り場のあるレセプション棟まで1km弱、そしてレセプション棟から美術館棟まで約500m。5〜6分おきにやってくる電気自動車により送迎をしてくれる。今日のような天気の日にはありがたい。
展示品は、古代のアジア、エジプト、オリエントあたりの装飾品や立像、等々。仏像の顔がカンボジアアフガニスタンで違うのが面白い。パキスタンはちょっと彫りが深めの美形という感じだ。エジプトの立像なんかも見ていると、身体の造形がアジア人と違う。あれは西欧人の体型だろう。頭が小さく、胸板が厚く、脚がまっすぐだ。
そんな感じで展示を見ていたら腹が減ってきた。館内のレストランがこれまた結構だ。天ぷらざるうどんを注文した。なぜか「先付け」として数片の生野菜が出された。天然塩、もしくは自家製の味噌をつけて食す。野菜の味が濃厚だ。自家製の味噌も美味だったので持ち帰り用があれば買って帰りたかったが残念ながら無かった。そこで使う分だけ作るので手一杯なのだろう。保存もきかないだろうし。さらに謎なことには「サービスです」とグリッシーニが出てきた。何でやねん。天ぷらうどんを食べようとしてるのに。いやま、美味かったけどさ。
天ぷらうどんも結構でした。何と言っても野菜がうまいからな。
そんな感じで、帰りは3時間ほどもかけて一般道を走って帰ってきたのであった。天気は鬱陶しかったが、MIHO MUSEUMは大変に良いところでござった。
次の週末までには豚インフルエンザも沈静化してほしいなあ。