野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

是故空中無色無受想行識

久しぶりに養老せんせの本でも読んでみようか。というわけで「無思想の発見」。

無思想の発見 (ちくま新書)

無思想の発見 (ちくま新書)


養老さんも70歳を目前にして(この本の執筆当時ね。今はもう70歳を超えておられる)、言ってることがいよいよヘンコのジジイがクダをまいてる感じになってきた。でも多分、今までとそんなに大きく違ったことを言ってるわけではない。
われわれ日本人の多くは、宗教だとか思想だとか哲学なんてものはもってない、というけど、実はそれは「無思想」という思想を持っているということなのだ。なんだか禅問答のようだが、その通り。この「思想」は仏教、というか禅の思想がベースになっているのだ。色即是空。空不異色。ほんまかいな。
無思想ってことは、どんな思想でも現実に会わせて都合の良いものを持ってくればよろしい、ということになる。実はある環境とか条件においてはこの思想(というより戦略?)は結構うまくいく。だけど最近の世の中、だんだんと事情が変わってきてそうも行かなくなってきた、さてどうするか。
まあだいたいそんな感じの内容だ。あのいつもの調子でたたみかけてくるから、ついするするっと読んでしまったけど、これってもっとじっくり考えながら読まんとアカンような気がするな。