世の中には、名著と言われながらも、読んでみると何が書かれているのかさっぱりわからん、という本がある。それらの一部を読んでみる度に、ひょっとして俺様は頭が悪いんじゃないだろうかと心配になる。そんな俺様に朗報だ。それは頭が悪いのではなくて、読み方が悪いのかも知れない(頭が悪いという可能性が消えたわけではないのが残念だ)と、「難解な本を読む技術」に書いてあった。
- 作者: 高田明典
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2009/05/15
- メディア: 新書
- 購入: 8人 クリック: 81回
- この商品を含むブログ (38件) を見る
難解本にも色々ある。いわく、難解な概念を解説しながら積み上げていく「登山型」と、様々な新しい概念や論理を次から次へと並べていく「ハイキング型」。そして、著者の明確な主張があり、それに向けて論理を展開していく「閉じた」本と、あえて著者の考えをすべて明示するのではなく、読者に対していわば「考えるきっかけ」を与えるタイプの「開いた」本。だいたいこれらの組み合わせで本のタイプは決まる。そして、このタイプによって攻略法は変わってくる。ただし、同じ本のなかでも基本的には登山型であるが途中ところどころハイキング型になるものもあるので注意。
なのだそうだ。なるほど。さらに、なぜ難解=理解できないのか、ということについても様々な原因が考えられる。
- 用語の理解が不十分
- 論理関係の理解が不十分
- 問題の理解が不十分
- 著者の言おうとしていることを図にする必要がある。
のうちのいずれかであり、それぞれに対して有効な対処方法が述べられている。なるほどなるほど。
この本を読んでわかったのは、まず何よりも、難解本を読むにあたってのわたくしの覚悟が足りなかったということだ。ある種の本は、通勤電車のヒマつぶしに読めるようなものではなく、一度通読しただけで理解できるはずもないのだ、と。読書ノートを取りながら読むべきなのだ。その読書ノートの取り方も詳しく説明されている。参りました。
「付録」の「代表的難解本ガイド」がすごい。フーコーぐらいで泣き言をいっている場合ではない。ラカンの「エクリIII」なんか、悪ふざけとしか思えない。内容を説明されているが、それがすでに意味不明だ。まったく、世の中には妙なことを考える輩がいるものだ。