「ケガレ」という本を書店で見かけて、ずっと気になっていた。
- 作者: 波平恵美子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/07/13
- メディア: 文庫
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「ケガレ」とは、「ケ枯レ」である。あの「ハレ」と「ケ」の「ケ」が枯れた、すなわち生産力の低下した状態であるということなのだそうだ。それを祓うために、土地や部族によって、それはもう色んなことをする。いやそもそも何が「ケガレ」であるかというのが、少しづつ異なる。
面白いのは、浄と不浄、善と悪、幸と不幸といった対立した二項は両義的であり、コンテキストに応じて互いに転換する、ということだ。多くの宗教や信仰において、最も不浄であるとされるものが時に神聖化される。つまり、神的なものであるからほかのものから囲う、という神聖性と、神的なものと接触することによって生じる相互の危険、すなわち不浄性は同じものの二面性である、というわけだ。「きれいは汚い、汚いはきれい」というやつだな。