野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

¿Dónde estoy?

マヨルカ2日め。
もともとの予定ではドラック洞窟まで足を延ばしてみるつもりだったのだが、夕方にはバルセロナに戻るためちょっとばかし時間的に不安なので、洞窟行きは中止した。昨日ダラダラしすぎたのが原因なわけだが、まあそういうのも良いじゃないの。
なんと言ってもマヨルカでおさえておくべきはミロ美術館。ガイドブックにはバスでの行き方が書かれているのだが、ふと思い立って自転車で行くことにした。インフォメーションで訊いてみたら、レンタサイクルも何軒かある。
というわけで、自転車でミロ美術館へ。海岸沿いに数kmにわたってサイクリング道があり、ここを走るとまことに爽快。ただし問題はl地図があまりに大雑把なことだ。しばらく走って、あっという間にどこにいるのかわからなくなってしまった。バス停なんかがあっても、停留所の名前が書いてない(実は書いてあるのかもしれないが、少なくともこの俺様には見つけられなかった)ため、現在地を特定できなかった。仕方がないのでその辺の現地人をつかまえて、今どこにいるのか、ミロ美術館へどうやっていけば良いのかを尋ねる。こういうのは妻の担当である。スペイン語は幼児なみの片言(といってもわたくしの倍ぐらいのボキャブラリーはあるだろうけど)で文字通り右も左も分からない。そして英語も単語を並べるのみ、なのだけど、どういうわけかこちらの意図をそれなりに伝え、なんとなく必要な情報を取れてしまう。いったいどうなっているのか謎であるが、まあ目的が達せられるのであればなんでもよろしい。
結局は「ジョアン・ミロ通り」を右往左往しながらも、最終的には強烈な登り坂を踏破して、ミロ美術館にたどり着いた。
この、マヨルカのミロ美術館は素晴らしい。収蔵されている作品の全体的な傾向がわたくしの好みである、というのももちろんあるのだけど、なんといっても建物の造り、作品の見せ方がとても感じが良い。全体のボリュームはさほど大きくないが、外光を上手に取り入れた、ゆったりとした展示室で、個別の作品をじっくりと観るのも良いけど、全体的な雰囲気をぼーっと味わうのがなんだとても気分が良い。中庭にも立体作品が何点か展示されているがこれもまたナチュラルで気持ち良い。まあ晴天に恵まれたというのも大きいとは思うが、それにしても、立地やハコものを含めて、ミロ作品の魅力を最大限に引き出されるように作られているな、と感じた。
さてミロ美術館のつぎはベルベル城だ。これまたよくわからん地図をみながら、野性の勘でもって走ると、今度は比較的スムーズに近くまで到達できた。しかしこれがまた山の上にあるので、途中で自転車を置いて、あとは徒歩で上がることになる。これでホンマに合うてんのかいな、と思いながらハイキング道みたいなところを上がって行ったら、ありましたねえ、ベルベル城。展望台まで上がると、パルマ湾およびパルマ・デ・マヨルカの市街、そして周囲の山を一望できる。絶景である。
そろそろ空腹を覚えてきたし、自転車は午後3時までに返さないと、レンタサイクル屋のやつらはシエスタに入ってしまうから、とっとと旧市街地に戻ることにした。
午後2時過ぎに自転車を返却し、海岸近くのバールで、イカのフライとキノコのロックフォールソース、てのを昼飯に食べながらカヴァを一杯。まことに結構である。
そろそろ良い時間になってきたので、ホテルに預けていたスーツケースを回収し、空港へ移動した。マヨルカからバルセロナへのフライトは1時間弱。近いもんですな。
さてバルセロナでの宿にチェックインしようと、事前に場所を確認しておいたホテルへ行くと、ここ違うね、と言われる。何ですと?ここはオテル・ロンダ。アナタ予約したのグラン・ロンダね。となりのストリート、左ね。
まいったなこりゃ、と思いながら近所をうろうろするのだけど見つけられず、例によって地元民らしきおばあちゃんをつかまえて、妻に訊いてもらう。結局ホテルの近くまで連れて行ってもらった。親切なばあちゃんだ。どうもありがとう。
ホテルにチェックインして、どっか食事するのにオススメのところはある?と訊いたら、レストランのカードにホテルのスタンプを押して、勝手に電話して予約までしてしまった。おいおい、と思ったがまあいいや。けっこう時間もおそくなったし、疲れているからあれこれ探して回るのもちょっと面倒だ。自分たちで行くとしたら多分バールばっかりでレストランなんかまず行かなかっただろう。
てことで、大量のパエリアを食べてお腹ぱんぱんになりました。あの半分の量で十分なんだけどなあ。