野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

まあそう怒りなはんな

普通に暮らしていても、何かと腹立たしいことの多い昨今である。そのような世相を反映してか、とにかく腹を立てないように、怒らないように心穏やかに過ごすにはどうすればよろしいのか、というような本が巷にはあふれ返っているように思う。もちろんこのわたくしも、いちいち腹を立てても詮無いことに対して怒らないように、できれば愉快に過ごしたいとは思っている。思ってはいるがこれだけ似たようなお題の本ばかりあると、今度は無性にそれに逆らってみたくなる。したり顔で「断捨離」などと言う輩をみると、それだけでうるせーハゲ、などと思ってしまうようなもんですな。まあいわゆるところの根性曲がりなんでしょうな。
さてそんな、みんなが口を揃えて「怒らないようにしましょうねー」なんて言ってるところにあえて「もっと怒れ、ちゃんと怒るんだこのヤロウ!」みたいな勢いで吼えている本がある。その名も「怒る技術」だ。

怒る技術 (角川文庫)

怒る技術 (角川文庫)


上記のような状況からすると、おおまさにわたくしはこのような本を待っていたのだ、素晴らしい!などと絶賛しそうなものだが、なかなか話はそう簡単ではないんである。
現代の日本には、「怒れない人」が蔓延している。本来ならば怒るべきところでその怒りを押し殺してしまっている。また、社会全体がそれを良しとするような方向へ流れてしまっている。もっとみんなちゃんと怒ろう。そのためにはそれなりの技術を身につける必要がある。
というような話をしていて、まあ言ってることもわからんではないのだが…
あたしはやっぱり、やたら怒る人ってのは苦手だね。怒るより、もっとちゃんと、穏やかに話をしようよ。基本的にこの人の言ってること、かなりむちゃくちゃですよ。こういう人のことを関西では「ややこしひと」なんて言ったりするのよね。わたくしも個人的には、できるだけ関わり合いになりたくないタイプですわ。まあ自分でもわかってるみたいだけど。で、たとえばわたくしであるとかさらには世間一般のこういう「ややこしひと」、ある種のマイノリティを排斥する態度に対してまた怒ってるようだ。
我慢して最後まで読んだけど、まああんまり気分の良いもんではないですな。斬新かも知れんけど。
ま、そんなわけで、せいぜいおきばりやす。