野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

あの知事に「言葉の力」とか言われたくないんですよ

書店で「ビブリオバトル」というタイトルの本を見つけて、何それ?と思った。手に取ってみると、帯にはなんだか萌え系のイラストが書かれているし、おまけに猪瀬直樹氏推薦、なんて書かれているものだからちょっと萎えてしまったのだけど、何だかとても気になるし「本を知り人を知る書評ゲーム」なんていう副題も面白そうなので、結局は買ってしまった。


ビブリオバトルというのはほんの数年前、2010年ごろに発生したものらしい。それが草の根的に広まって行き、今ではかなり有名なのだそうだが、すいませんあたしは知りませんでした。
もともとは大学の研究室なんかでよくやる輪講、あの課題図書を決めてみんなで分担して読み、自分の担当分を説明するっていうやつね。あれが始まりらしい。実際の運用において輪講というのは色々と問題がある。せっかく苦労して読んだ本が実はイマイチだったとか、なんだかんだいって自分の担当部分はなんとか読むけど、それ以外はあんまり読んでないとか、人の発表を聞いてても眠い、とか。これらのいくつかの問題を解決すべく編み出されたのが、このビブリオバトルなのだそうだ。ルールはいたって簡単。何人かで集まって、それぞれ自分の好きな本を持ってきて、5分で本を紹介、2分〜3分ぐらいで質疑応答、というのを順番にやる。全部終わったら、紹介を聞いた結果どの本を一番読みたくなったか、を投票して、最も得票数の多いのが「チャンプ本」になる。ひとつにはこの5分で紹介、というのがミソだ。どれだけ話の途中であろうが、とにかく5分でぶった切る。逆に時間が余ってしまったら、何でもいいからとにかく5分経つまで喋る。なんだかライトニングトーク(LT)みたいだなと思ったら実際あれにヒントを得ているらしい。ビブリオバトルじゃないけどLTはわたくしも聴いたことがあって、これはなかなか面白いのだ。だから、このビブリオバトルの面白さというのも、十分に想像がつく。だいたい、何か面白い本を読んだらそれを誰かに話したくなるものだし(だからブログとかブクレコに投稿するのだけど)、ひとに本を紹介してもらうと、自分ではなかなか見つけてこられないような面白い本に巡りあえるし。ある人がどんな本を紹介するかで、その人についても知ることができ、それは「やっぱり」とか「いかにも」とかいうこともあれば「これは意外」とかいうこともあるのだろう。まさに「人を通して本を知り、本を通して人を知る」というわけだ。うーむ名言ですな。