『「呪い」を解く』なんていう本を見つけてしまって、いやどうもこういうのに弱いのですよわたくしは。
- 作者: 鎌田東二
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2013/05/10
- メディア: 文庫
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と言っても別にわたくしはスピリチュアル系の人ではない(むしろちょっと苦手。99.99%はインチキだと思っている)し、「見える人」でもない。でもこの手の話にはなぜか妙に引き寄せられる。
「呪いの力」を侮ってはいけない、とこの著者は言う。呪いなんてんなアホな、と一蹴したいところだが、いやいやけっこうそう簡単に片付けられるもんでもないようで。
「イメージしたことは空虚ではないのだ。それは直ちに物質化するわけではないが、確実に物質化への指向性を刻印する。つまり、現実の現象世界に微妙に作用するのである。」(p.314)とか。「責任は想像力の中から始まる」「夢の中から責任は始まる」とも書かれているが、実はこれ、「海辺のカフカ」の中に出てくる言葉なのだな。
ウチダ先生は、「強い想像力には現実を変成する力がある」と言っているし。
http://blog.tatsuru.com/archives/001089.php
映画「マーガレット・サッチャー」では、「考えが言葉になり、言葉は行動になり、行動は習慣に、習慣が人格になり、人格は運命を形作る。」なんて言ってるし(実際にはサッチャーはそんなこと言ってないみたいだけど)。
オウム真理教、酒鬼薔薇聖斗、から始まってキリスト教における悪魔、真言密教、源氏物語にゲド戦記、村上春樹、さらには鈴木大拙の霊性論に平田篤胤の仏教批判について論じる、というこのアクロバシーにはなんだかクラクラしてくる。
これを、どう受け止めて良いのか扱いかねているというのが正直なところだ。まあ、しばらく寝かしておくことにしましょう。