映画通で知られる釈徹宗師と秋田光彦師という二人の僧侶が古今東西の映画について語りまくる。お二人とも僧侶なので、「生きる」「老いる」「病む」「死ぬ」、つまり仏教の「四苦」、映画の中に見る生老病死について語るわけだ(特別に「葬る」の章もあるけど)。「仏教シネマ」というのはそういう対談だ。
- 作者: 釈徹宗,秋田光彦
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2013/09/03
- メディア: 文庫
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「アメリカのゾンビ映画のベースには土俗信仰に対する恐怖がある」なんていうのにほほう、と感心しながらも、お気楽な本だと思って油断して読んでいると、後半はほとんど映画の話なんか出てこなくなる。実は内田樹せんせが解説に書いておられるように、この本は「映画論のかたちを借りた宗教書」だったのだ。やられた。