野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

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単行本だけど買ってしまおうかどうしようかと迷っていた、内田せんせの「邪悪なものの鎮め方」が文庫になった。優柔不断でグズってのも、たまには良いことがあるものだ。

例によって、ブログとか講演とか何かに書いた文章を集めたもの。だいたいどこかで読んだ覚えがある。けれども、このタイトルにある「邪悪なものの鎮め方」、人間のスケールを超えるものに対する身の処し方、というテーマを置いて、あらためて読んでみると、これまた今までと違ったビューが立ち上がるというこの不思議。毎回、何か新たに「ほほぅ」と思うようなことがある。えらいもんですなぁ。
優れたテクストというものは、固定的な解釈ではなく、人によって、あるいはコンテクストによって様々な読み方ができる、みたいなことをまさに内田せんせがどこかに書かれていたような気がする。確かにそういう感じよね。