野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

あんまり読める気がしないのです

「若者よ、マルクスを読もう」については、単行本が出たときに、買おうかどうしようかとかなり悩んだ記憶がある。
結局、当時は買わなかったのだ。なんだかぐずぐずしているうちにあれから数年が経ち、今回めでたく文庫化されたわけだ。

今さらマルクスなんて、という言い方をされることも多いだろう。マルクスの理論は間違い、とは言わないまでも現実の社会に実装した場合にいくつかの重大な不具合が見られる、ということは、現代においてはほぼ共通に了解されていることであると考えて差し支えないはずだ。それでもなお、やっぱりマルクスはすごい、ぜひ読んでおくべきだ、と内田せんせも石川せんせもおっしゃるわけだ。彼の理論の当否はあまり問題ではない。内田せんせ曰く、“歴史上、「マルクスのように発想し、マルクスのように推論し、マルクスのような修辞を駆使した」人は彼以外におりません。これは誰がなんと言おうと天才の仕事です。”(p.9)なのだそうた。だから、マルクスを読むと、「頭が良くなる」と。
うーんホンマでっか。以前に「経済学・哲学草稿」を読んだ限りにおいては、頭がよくなるというよりは、自分の頭の悪さを思い知らされてヘコまされる、という感じの方が近いんだけどなあ。ま、これは若者(高校生ぐらいを想定しているらしい)に向けての本だからな。ええどうせおっさんですよ俺様は。