野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

野生の嗜好

盆休みの間に、かねてから懸案となっていたモトフサ現代美術館を訪問した。
実は館長のモトフサ岡野氏は、わたくしの高校の同級生だったりするのだ。とは言うものの、クラスが一緒だったのは一年の時だけ。そして高校を卒業して以来、一度も会ってない。高校時代の印象としては、「野人」という感じだったから、後に彼がアーティストになったという噂を聞いた時には、いったい何の冗談か?と思ったものだ。
数年前に、彼の地元である岩美町に自身の名を冠した美術館を作っていると知り、これはぜひ一度行ってみなければ、と思っていたのだ。しかしながら、行けるとしたら盆正月の帰省時で、ある程度の時間の余裕があり、豪雪でない時、となると意外とタイミング的に難しい。んで今回やっとのことで訪問の運びとなったわけだ。
美術館は、海岸沿いの国道を少し入ったところにある。なかなか良い感じの場所だ。行ったときは生憎の雨だったが、それはそれで味わいがある。晴れのときはなおさら気分のよさそうなところだ。
館内に入ると、岡野館長が現れた。わたくしの名前を言うと、すぐに思い出してくれた。良かった。お前誰やねんと言われたら(いや実際には言わないけど、そういう感じってわかるよね何となく)どうしようかと心配していた。懐かしいやんけ、と歓待してくれ、オフィスまで含めて館内を案内してもらった。
二階建ての普通の民家を改造したような建物の各部屋に、所狭しと彼の作品群が展示されている。キュートな味わいながら、プリミティブなエネルギーが溢れる、という感じのものが多く、まあひとことで言えばかなりわたくし好みでございます。思ったよりもボリュームが多く、コーヒーでも一杯どうかね、と言ってくれた時にはそろそろ失礼しなければいけない時間。というわけで、次回は十分に時間を確保し、数々の作品をじっくり観たいと思った次第である。