野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

生駒は哀しい学研都市

雨の降る中、奈良まで出張してまいりましてね。

行き先は奈良先端科学技術大学院大学、いわゆるNAIST。名前長いなー。まあ、「奈良先端大学」で通じるんだけど。何なら「奈良先端」だけでも。
最寄駅は近鉄の学研生駒北。今回初めて降り立ったわけだが、実にまあ… 何もないところですな。駅から徒歩20分とのことなので、ちょいと歩いてみようかと駅の北側へ出てみたのだが、何というかよほど強い意志でもって事にあたらないと、無事に目的地にたどり着けそうな気がしないのだな。小雨も降っていることだしあっさり諦め、バス・タクシーの乗り場がある駅の南側へ出た。事前に案内されていた通り、NAIST行きのバスは極端に少ない。具体的に言うと、午後の早い時間帯には一時間に一本ほどしかなく、10分ほど前に出てしまったばかりのようだ。というわけでタクシーに乗った。もちろん「奈良先端大学へ」でちゃんと正しい目的地へ連れて行ってくれる。
10分もしないうちにNAISTへ着く。今回の目的はとある研究発表会の聴講だ。聴いてみようと思っていた発表が終わり、さて帰ろうと思ったのだが、行きと同様に帰りのバスも極端に少ない。まあ帰りぐらいは歩いてみようかと思ったが道がわからない。わからないけれども大方こっちを向いて歩けばなんとかなるだろうと思ったルートは、なんだか山越えだ。いや山越えは少々大げさにすぎるかもしれないが、新興住宅地によくある、丘陵地に造成した住宅街のようなところを抜けていくような格好だ。そんな大層なことになるのかと少しばかりビビりながら歩いてみると、なるほど20分ほど歩いたところで駅前へ出てきた。しかしNAISTは駅から見て北側に位置するはずなのに到着したのはなぜか駅の南側だ。はてこれは面妖な。さすが先端科学技術の名を冠するだけあって、何やら怪しげなテクノロジーだか妖術だかによって空間をねじ曲げたかと驚嘆しかけたが、なんのことはないどうやら丘陵を降りるうちにいつの間にか鉄道の線路を横切って南側へ出るような道になっているようだ。なぜわざわざそんな人心を惑わすようなことをするのか。というか駅からのアクセス悪すぎ、バスの本数少なすぎだぞNAIST。車なら良いけど、これじゃとても電車で通う気にはならん。いや別に俺様はNAISTの職員でもなければ学生でもないので、文句を言う筋合いはないのだけども。小雨のぱらつく中、先端科学技術に触れて少しばかり気が滅入りました。