野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

けったいな連中やでしかし

ジョーカー・ゲーム」が絶賛上映中!な柳広司の「ソクラテスの妻」が文庫になっていた。
あれ?そんなのあったっけ?と思ったら単行本では「最初の哲学者」だったんですな。いやすまない柳先生、単行本の方も読んでなかったよ。

ソクラテスの妻 (文春文庫)

ソクラテスの妻 (文春文庫)

これは、ミステリーというわけではない。元ネタはみんな、ギリシャ神話とかギリシャ悲劇とか。でもそこにひとひねりが加わっていて、さすが、という感じ。実はいずれも、だいたいの話は知っているものの、元ネタをちゃんと読んだわけではないので、どの辺りをどれくらいひねっているのかはよくわからないけれども、明らかに柳テイストの味付けがされているな、とは思う。悪妻と呼ばれたソクラテスの妻クサンティッペにも、彼女なりの言い分がある。というか彼女の言ってることのほうがよっぽどマトモだわな。
そういえば柳氏のデビュー作は、シュリーマンをネタにした「黄金の灰」だったな。こういう歴史上の事件や人物をもとにしてミステリーに仕立てる、というのが彼のスタイルだった。
てことで、結城大佐も良いけどソクラテスもね。