デイブがデブでなくなった話

ぜひこれを読んで試してみてください！と日本から出張してきたK君が「シリコンバレー式　自分を変える最強の食事」なんていう本を持ってきた。

いや、そんなのあんたが自分で試しなさいよ。

俺様はどうもこういうの苦手なんだよな…

シリコンバレー式 自分を変える最強の食事

とか言いながら、一応読んでみましたよ。

「朝食はバターを入れたコーヒーのみ」てな話を聞いていたので、それだけで「うげっ」という感じで、「このイカサマ野郎め」ぐらいに思っていたのだが、読んでみれば、古来からの東洋医学やらアユルヴェーダやらだけでなく最新の栄養学その他諸々の知見も取り入れており、それなりに理屈は通っている気はする。いわく、とにかく野菜をがっつり食え、頭脳のパフォーマンスを最大化するために脂肪（ただし良質のものに限る）をしっかり摂取せよ、質の良い睡眠を確保するために、適量の炭水化物を夜に食べろ、果物はできるだけ避けよ（糖分が多すぎる）、などなど。

別にいいんだけど、おすすめ食品やレシピに対して、何でもかんでも「完全無欠」ってつける感覚はちょっと、ね。いやこれは原語ではBulletproof（防弾）になっていて、翻訳の問題なのだけど。まあ「防弾」のままではさすがに何のこっちゃ、だし、じゃあどう訳すんだ、と言われたら、そりゃなかなか難しいですわな。

とか色々ツッコミを入れながら読んでいたら、だんだん洗脳されてきた。グラスフェッド牛のバターとカビ毒に汚染されていないコーヒーがどこで入手できるかわかっていないからなんとか踏みとどまっている。

やはり、こういうのを読んで「なるほどそうか！」とかいってすぱっと実行に移せるような人間こそが、シリコンバレーのIT企業のCEOになれたりするわけですよ。わたくしのようにグダグダとケチを付けてるやつはまあ、そんなもんだ、ってことね。

とりあえず「脂肪は正義」というのだけを採用することにしよう。