野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

建築様式の名前って悪口ばかり

「ヨーロッパものしり紀行」なる本を貸していただきまして。
いくつかのシリーズがあるようなのだけど、まずは「建築・美術工芸編」から。

ヨーロッパものしり紀行―建築・美術工芸編 (新潮文庫)

ヨーロッパものしり紀行―建築・美術工芸編 (新潮文庫)


ヨーロッパの建築様式の特長と歴史について、わかりやすく説明してくれており、わたくしのようなシロートにとってはとてもありがたい。 ロマネスクとかバロックとかゴシックとか、名前だけは知っているけども何がどう違うのか良くわからなかったものだが、ポイントを押さえた説明で、ほーなるほど、という感じだ。ただ、どれだけ憶えていられるか、あまり自信が無いけど…
先月ミュンヘンへ行った時に、歴史のある建物を見ながら「ほー立派ですな」とか「かっちょいー」とかアホみたいな感想しか持てなかったものだが、先にこの本を読んでおけばもうちょっと気の利いたことも言えたかもしれない。…いや、生兵法は怪我のもと、というやつだ。シロートが付け焼き刃で知ったかぶりをしても恥を掻くだけだから、黙っておくに越したことはない。が、それでも少しは楽しみ方が違ったことだろう。そういえば「教養とは一人で時間をつぶせる技術のことである」と、中島らも御大は書いていたな。あれは「今夜、すべてのバーで」だったか。あらためてこの名言を噛みしめたことであった。