『白い巨塔』第4巻。
- 作者: 山崎豊子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/11/04
- メディア: Kindle版
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何ですかその学術会議ってのは、とググってみたところ、Wikipediaによると
日本の国立アカデミーであり、内閣府の特別の機関の一つである。日本の科学者の内外に対する代表機関であり、科学の向上発達を図り、行政、産業及び国民生活に科学を反映浸透させることを目的とする(日本学術会議法第2条)。
なのだそうで(恥ずかしながら初めて知りました)。ひええ、という感じだが、そんなのに財前君を立候補させるってのはもちろん、鵜飼のおっさんにもそれなりも思惑があるわけで、その辺も飲み込んで財前君、一丁いてこましたろやないか、ってんだからなかなか大したタマだ。が、裁判の方は原告側が判決を不服として控訴する。だから学術会議選と裁判で、そりゃもう忙しいのなんのってあーた。
ところで、裁判で証言台に立った柳原医師、当然ながら大学病院側から事前に、わかってるやろなお前、と因果を含められているわけで事実を述べることなどできるわけもなく、しかし後々やはり良心の呵責に耐えられず悶々と過ごすことになる。なんだかつい最近もどこかで聞いたことのある話で、ああ50年以上も前から本邦では規模は違うものの同じようなことが起こっているのだなあと感じざるを得ない。いや実際のところ、虚偽答弁をしたあの方々、出世はしたかもしれんが大丈夫ですかほんとに?と心配になってしまう。柳原みたいな小者とは違うから大丈夫?ああそうですか。しかし財前君みたいな図太い奴でも、誤診により死なせてしまった佐々木庸平さんの亡霊に悩まされる。いや亡霊じゃないけど、財前君自身の心の中にやはり何かしらのわだかまりのようなものがあって、それがありもしないものを見せたり感じさせたりしてしまうのでしょうなあ。
4巻の終盤ではついに控訴審も大詰めで、出てこられるとまずい証人も満を持して登場てなことになり財前君ピンチ。さてこれからどうなりますことやら。