あまり天気も良くないし、映画日和かな、てんで『フォードvsフェラーリ』を観てきた。
内容が内容だけに、客層はちょっとアレだ、けっこう中坊ぐらいのガキが多いな。でもまあ、なかなか面白かった。
マット・デイモンが出ているが、どこかから救出されたり連れ帰られたり、とかいう話ではない。当たり前か。
ル・マン24時間耐久レースに出て若い世代にアピールしよう、とマーケティング担当だったアイアコッカに提案されても、そんなカネない、と却下していたのに、買収交渉が決裂したフェラーリの社長にコケにされたもんだからブチ切れて、ル・マンに出てフェラーリをぶっ潰す!と参戦を決めてしまうフォードの二代目社長、大丈夫か。まるで「腰抜け」と呼ばれると激昂して無謀な行動に出て自滅するマーティ・マクフライじゃないか。経営者としてはもうちょっと冷静な投資判断をするべきじゃないのか。
それにしても『フォードvsフェラーリ』というタイトルながら、その中身を見るとフェラーリとの勝負というより、フォード社内で足を引っ張る奴にどう対処するか、ていうところに結構なウェイトがあって、その辺がまた面白い。あと見どころは、視察に来た二代目社長をレース用の車の助手席に乗せて、サーキットをえげつない走り方して半泣きにさせるくだりかな。主役のケン・マイルズも同じように、妻が無謀な運転をする車に乗せられて脅されるシーンもあったな。レーサーでもあれはやっぱり怖いのか。
ああいうのが好きな人にはたまらんのだと思うけど、レースのシーンなんかわたくしはもう、怖くてたまらんかった。
そうそう、最後のル・マン24時間耐久レースで、フェラーリのチームのストップウォッチをパクったり、ピット内にさりげなくナットを転がしておき、部品が余っていると思ってビビらせる、とかいうようなシェルビーのセコい妨害工作も面白かったな。
まあとにかく、この手の映画はやっぱり劇場で観るべきだわな。
そんなわけで、今回の映画も当たりでございました。