野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

唸るだけじゃないんだぜ

新譜の"Budapest Concert"を聴いたついでに、Apple Musicでキース・ジャレットの古いアルバムをあれこれと聴いてみている。
わたくしが初めて聴いたキース・ジャレットのアルバムは“Treasure Island”で、これは今でも好きで時々聴いている。

なので、いわゆるアメリカン・カルテットの諸々のアルバムが好みかなと思ったが、わりとフリー系の延々とインプロヴィゼーションが続いてちょっとしんどいな、と感じるものもある。特に“Backhand”の“Kuum”とか、“Death and the Flowers“あたりの、キースがフルートを吹くやつは、どうも苦手だ。”Survivor‘s Suite“も、ちょっと一曲が長すぎちゃうか、という頭悪そうな感想を持ってしまう。ヨーロピアン・カルテットは今まで”Personal Mountains“ぐらいしか聴いたことなかったが、こちらは”My Song“も”Belonging“も“Nude Ants”も、なかなか好みだ。まあ、取っ付きやすい、ということなのだろうとも思うが。あと、ポール・モチアンチャーリー・ヘイデンとのトリオについては”Life Between the Exit Signs“、”Somewhere Before“のいずれも好みで、しかしこのパーソネルは要するにアメリカン・カルテットからデューイ・レッドマンを抜いただけなのだから、そうするとわたくしはデューイ・レッドマンに対して何やら含むところがあるのか、というような話になる。(ちなみにApple Musicでは”Life Between the Exit Signs“は「キース・ジャレット」、”Somewhere Before“は「キース・ジャレット・トリオ」名義になっていてややこしい)
とはいえ“Death and the Flowers“にせよ”Survivor‘s Suite“にせよ、じっくり聴くとこの辺もなかなか味わい深かったりもする。どないやねん。
なお“Restoration Ruin”ではキースが歌っていて驚いた。そんなこともやっていたとは。でもこれは一回聴いたらもういいかな。というか最初の2曲ほどしか聴いてないけど。
これらに加えて、スタンダーズ・トリオ、ソロ、さらにはクラシックなど含めてそれはもう膨大なアルバムがある。一生かかっても全部は聴けないんじゃないかという気がする。