野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

民事訴訟における秘密録音の証拠能力について

下町ロケット』シリーズの『ゴースト』と『ヤタガラス』が文庫化された。とりあえず『ゴースト』からいこう。

どうして佃製作所ってのはこう次から次へと難儀なことばかり発生するのか。
まるで立ち回る先々でやたらと人が殺される小学生みたいじゃないか。
ってまあ、小説ですから。ネタがないとね。
さて、佃製作所の得意なのはバルブで、ロケットにも使われた品質のバルブの新しい用途が、今回はトランスミッション、という設定だ。
はて、トランスミッショントランスミッションってギアの塊だろうに、どこにバルブなんぞ使うんだ?という疑問が湧く。
で、ちょっと調べてみたところ、ここでいうトランスミッションは(当然ながら)本当にギアの塊であるところのマニュアルトランスミッションではなく、流体を使った無段階変速のオートマチックトランスミッションだ。
で、その油圧の制御に電磁バルブが使われる、ということらしい。 
バルブシステムに関する詳しい解説記事があった。

なるほど、こんな複雑な機構だったのか。そりゃすごいわ…
これなら、関連する特許はいろいろありそうだ。ということで今回は特許に関わる訴訟ネタを含みつつ、相変わらずわかりやすいワルモノがあれこれ登場するわけですね。
で話はそれぞれしかるべきところに落ち着くのかと思ったら、あれまあ伊丹くんそっちに転びますか、という感じ。
そして佃製作所の殿村経理部長、実家の事情により会社を辞めて農業に転向。というのも実はこれ、帝国重工の財前部長が何やら画策しているのと考え合わせると、いかにも次の話への伏線になっていそう。
というわけで続編の『ヤタガラス』にあれこれなだれ込むのでありましょう。