野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

タブローとエートルとシーニュとエピステーメ

11月の下旬ぐらいからフーコーの「言葉と物」を読み始め、やっと第一部を読み終った。つまり、だいたい半分ぐらい、折り返し地点を過ぎたというところだ。
手を付ける前から覚悟はしていたのだが、やはり予想通り、何が書いてあるのかさっぱりわからん。恐ろしい本だ。こんな本を書いて、フーコーはいったい何がしたかったのだろう。動機はいったい何だ。フーコーの解説書みたいな本で読んだような気もするが、憶えてないな。何でも、「これが理解できるのはフランスで2,000人ぐらいなもんだろう」というようなふざけたことを考えていたらしい。そんなことするなよ、誰にでもわかるように書けよなまったく。それでもこんな難解でかつ分厚い(2段組で400ページ超)本がベストセラーになるっていうんだから、フランス人ってやっぱりちょっと変わってるんじゃないだろうか。
だけど不思議なのは、内容はさっぱり理解できないのになんとなく面白い、というところだな。ネタの選び方がぶっ飛び過ぎているのが面白いんだろうか。しょっぱなからいきなりボルヘスの「中国の事典」の話が出てきて、ベラスケスの絵を解説(?)して、博物学と一般文法と富の分析と。いったい何の関係があんねん、というものを並べ立てて。そう、まさに手術台の上のミシンとこうもり傘みたいに。
何にせよ、年内には読み終わりたいと思っているのだが、ちょっとばかし厳しいかもしれんなぁ。