最近になってやたらとこんなんが多いのんですけど、「卍 (新潮文庫)」を読んだんです。
- 作者: 谷崎潤一郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1951/12/12
- メディア: 文庫
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その内容云うたら、先度読んだことのある「痴人の愛 (新潮文庫)」によう似た話やと思います。そやけど、ちょっと違うのんは、主役の光子さんが男だけやのうて女まで手玉にとってるいうのんと、ずーっと垣内の奥さんがこんな調子で谷崎せんせに喋ってるっちゅうところですねん。なんや今ではあんまり聞くことも無いような大阪ことばで語ってはるのんで、もひとつ緊張感の無いような気イしますけど、内容の方は結構エゲツないことになってますねん。「細雪」でもこいさんがわりに近いような感じですけど、光子さんはほんまに追い込みかけてはりますよってに、なかなかああ云う展開になる云うのは予想できしません。谷崎せんせて、こういう昼ドラだか火サスだかみたいなのんを割によう書いてなさるのんですねえ。