野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

芋粥も食べてみたい

新年の一発目に読んだのが、なぜか芥川龍之介の「羅生門・鼻」、新潮文庫のやつね。

羅生門・鼻 (新潮文庫)

羅生門・鼻 (新潮文庫)


とても有名な話だから、誰もが教科書やら何やらで一度は読んだことがあるはず。もちろんわたくしも。確か中学生ぐらいのときに読んだのだったか。
それから四半世紀が経過し、また改めて読んでみたらどんなもんかな、と。
羅生門」は、なんだかしらんがすごく怖い話を期待していて、で実際読んでみたら、「はぁ?」だったような記憶がある。で今回どうだっかというと… うーん、まあ何というか、読み手の想像力とか、ある種の感受性みたいなものを要求する話だと思ったね。文庫のオビに書いてあったけど、漫画家の浦沢直樹さんなんかは、「『羅生門』を読んだとき、近未来SFの画が頭に浮かんだ」なんて言ってるわけだよ。やっぱりちゃんとしたレセプターを持ってる人が読むと違うのさ。
まあそれはそれとしても、「鼻」は好きだな、昔から。これはやっぱり面白いわ。
そして今回わざわざこの本を読んだのは、「好色」を読んでみたかったから。これは宇治拾遺物語や今昔物語集に出てくる「色好みの平中」が主役で、同じネタで谷崎潤一郎が「少将滋幹の母」の一部を書いてるのと、ちょっと読み比べてみたかったのだ。んで、そうだな、やっぱり谷崎のほうが好きかな。芥川版も面白いのだけど。平中が侍従のストーカーをして排泄物を奪ってくあたりが、谷崎版のほうがより変態っぽくて良いな。
あと、びっくりしたのは「邪宗門」。いよいよ話がこれから、というところで(未完)てオイ!
続きが読みたかったなあ。