野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

原作はなかなかのもんだ

梟の城 (新潮文庫)」を読んだのだけど、これって昭和30年代に書かれたのね。時代小説だから、あまり古さを感じさせない(というか十分に古いのだけど)のかもしれない。

梟の城 (新潮文庫)

梟の城 (新潮文庫)


考えてみれば忍者小説なんて読んだ事ない。正直、面白いじゃないか。葛籠重蔵と風間五平、そして摩利支天洞玄とのバトルなんていうのは単純に楽しめる。そして、この本では忍者というもののマインド面も克明に描写していて、さらには伊賀忍者と甲賀忍者の考え方やキャラクタの違いまで描いている。実はそこが一番面白いのかもしれない。あと、最後に石川五右衛門まで引っ張り出してきて、作者なりの解釈を披瀝するところなんかね。
それにしても、AmazonでDVDのレビューを見てみたけど、そりゃもうヒドいもんだね。評判悪過ぎ。よくわからんが、少なくともこの原作を読んだ後で葛籠重蔵が中井貴一といわれると、ちょっとびっくりするわな。