野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

俺様は金星人

アメリカと旧ソ連の宇宙開発競争を見るにつけ、何の役に立つのかわからんことを、なんでそんなに必死になってやるのか、と不思議に思っていたものだ。将来的に人類が地球外の惑星で生活するために?何をアホなことを言うておるのか、と。
しかしどうやらアホなことではないのだな。「宇宙を語る」を読んだら、ちょっと考えが変わった。

宇宙を語る〈1〉宇宙飛行士との対話 (中公文庫)

宇宙を語る〈1〉宇宙飛行士との対話 (中公文庫)


地球を出て、人間が生活できるわけがなかろうが、と思っていた。これは今のところ事実だ。確かに宇宙船に乗って地球を出て行き、宇宙服を着て月面を歩いたりはしたけど、そんなのはすごーくすごーく例外的なことで、大変な訓練を積んだ選ばれた人だけが、相当なお金をかけて、かなり無理をして、やっとできることだ。だけど、例えば100年後はどうなのか?
そもそも地球の生活は快適で、(例えば)火星なんてとても人の住めない過酷な環境だ、と思ったりするが、本当にそうなの?実は、長い目で見れば、今はたまたま地球の環境は人間が生活するのに最適な環境になっているというだけの話。ほんのここ数十年の間でも、平均気温が数℃上がった、てんで大騒ぎなわけだから。本当に微妙で危なっかしいバランスの上に人類の生活は成り立っているというわけだ。
一方で科学技術はどんどん進歩していく。1世紀前に「そんなアホな」と言われていたことでも今じゃ「そんなの当たり前」なんていう例はいくらでもあるだろう。地球外で普通に生活するための技術的ブレイクスルーなんて、それを期待しても別におかしくはない。
今から何億年も前、魚たちにとって、水から陸に上がるなんて、そんなアホなことがあるか!という暴挙だったのだろう。それと同じ理屈で、人類が地球外にその生活拠点を求めて出て行くっていうのは自然な事なんだぜ、と立花氏は言う。
そうか、そうかもしれんな。そう考えると、うーむ。