野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

元Visorユーザの感想

ジェフリー・ムーアの「キャズム」といえば、ハイテク・マーケティングの分野における名著であり、バイブルとして扱われている。以前、彼の「ライフサイクル・イノベーション」を読んだときに、何の断りも無くボウリングレーンだのトルネードだのゴリラだのが出てきて戸惑ったことがある。(昨年7月11日のエントリ参照。おおっ、ほぼ1年前か!)
その辺のことは、この本に解説されているのだろうと思って読んでみたわけだ。

キャズム

キャズム


しかし残念ながらこの本に出てくるのは「ボウリングレーン」だけだ。トルネードは「トルネード経営」、ゴリラは「ゴリラゲーム」において解説されているらしい。はあ。
ハイテク・マーケティングについての本だが、ムーア氏は必ずしもハイテクに強いわけではなさそうだな。もちろんそのこと自体はこの本の価値を損なうものではないけれど。でもちょっと読んでて気持ち悪いのは確かだ。日本語訳にも多少問題があるだろう。少なくとも、PDAクレードルのことを「クレドール」なんて書くのはやめてほしい。消毒薬じゃないんだから。
さて、ムーアのキャズム理論、この本を読んで理解できましたか?と訊かれたら。
うーんそうだね、なんとなくわかったんじゃないかな、多分。