昭和30年ごろ、上方落語は絶滅寸前の状態にあったらしい。それらのネタを発掘し、独自の工夫を加えてよみがえらせたのが、桂米朝師だそうだ。
それらの古典落語に出てくる諸々の地名をもとに、「関西落語地図」として各地を巡っていきながら、その地にまつわる噺について紹介していく、という主旨の本が「米朝ばなし」だ。
- 作者: 桂米朝,司馬遼太郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1984/11/12
- メディア: 文庫
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驚くほど多くのネタについて、「今ではこのサゲは通じません」てなことになっているため、サゲを変えてみたり、そこにいくまでの途中で切ってみたり、あるいはそのまま滅びてしまったり。当時の習慣や風俗において「これが常識」ということに基づいているから、しかたがないのだけど。こういうものをきちんと伝承していくというのはいやはや大変なことなのだ。