出張の帰りに新幹線の中で読もうと思って、新横浜の三省堂書店で近頃話題の「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」を買った。
新横浜で読み始めて、ちょうど新大阪に着くころに読み終わった。良くできた本だ。
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
- 作者: 岩崎夏海
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2009/12/04
- メディア: 単行本
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いやそういうことではなくて。
主人公の女子高校生みなみが、ドラッカーの「マネジメント」(さすがに「エッセンシャル版」の方だが)を読んだ時の感想:
みなみは、そこに書かれていることを完全に理解できたわけではなかったが、何かとても重要な、だいじなことが書かれているというのはよく分かった。言葉の一つひとつが、とても重く、また貴重なものとして受け止められた。
これはわたくしが初めてドラッカーを読んだときとまったく一緒だ。
正直なところ、「新人マネージャーと野球部の仲間たちがドラッカーを読んで甲子園を目指す青春小説!」というオビの文句や、萌え系のイラストに「何じゃそら」という感じを拭えないのだが、実際この本はスゴいと思う。
まあはっきり言ってストーリーは安モンだと思うが、そんなのは大した問題ではない。ちゃんとドラッカーの思想を理解し、血肉としているからこそ萌え系のイラストと安モンのストーリーに乗せて、「ドラッカーの言ってるのはこーいうことよね」というのを分かりやすい実例で示すことができるんだと思う。企業ではなくて高校の野球部という「非営利組織」をネタにしたところがまた秀逸だと言えましょう。