野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

イノベーションイノベーションってやかましわ

もう昨年の秋ぐらいから、やたらとこの手の本を読んでちょっとうんざり気味なのだけども、まあ致し方なく『イノベーションを実行する』てやつを。

イノベーションを実行する―挑戦的アイデアを実現するマネジメント

イノベーションを実行する―挑戦的アイデアを実現するマネジメント

イノベーションてのはアイデアが大事だ。それを実際にビジネスとして成功させるには事業計画も重要だ。いや、まだ十分ではない。実行しなければいけない。そりゃまあ当たり前の話だよね、と思うが、意外とその手の本ではあまり語られていないポイントなのだな。いやもちろん、クリステンセンの本にしたって、その辺を無視しているわけではないし、ある程度は触れていたりもするのだけど、まあここまでくどくどと、じゃなかった、徹底的かつ実践的に詳述された本というのは少ないようだ。
ちなみに「イノベーション」と言っているけど、この本で前提にしているのは独立したベンチャーとかスタートアップではない。ある程度以上の規模の企業で、安定した収益を上げられる事業(これを本書では「パフォーマンス・エンジン」と呼んでいる)があって、その事業から得られる利益を、新規事業に投資できるとするならば… という話だ。ベンチャーをどうやってつぶさずにIPOに持っていくか、みたいな話なら他の本を読んだ方が良い。個人的には『ビジネス・フォー・パンクス』なんかが面白かった。まあBrewDogの彼らはファンドの連中なんかクソだ、と思っているフシがあるけど。
ええとまあ、その辺はあまり関係ない話で。とにかく、大企業でイノベーションを起こして新事業にするにあたっては、その資金源となってくれる「パフォーマンス・エンジン」とは、「混ぜるな危険」なのだな。高い精度で作り込まれた計画を、緻密に設計されたプロセスを実行することできっちりと業績をあげる、というパフォーマンス・エンジンと、何かしら間違いがあることを前提とした計画を立て、短いサイクルで学習プロセスを回して軌道修正を加えていくというイノベーション実行チームは、そりゃ何から何まで違うわけですよ。
うん、その理屈はわかる。そして、ていねいに説明してくれてありがとう。すごいね。でもちょっと疲れたよ…