野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

便利な一冊

わけあって「農業と食料のしくみ」なんて本を読んでみたりして。
農業を中心として、テクノロジーから歴史、政治、経済にいたるまで食料にまつわるあれやこれやが包括的、かつコンパクトにまとめられておりなかなかよくできた本ではないかと思う。ちょっと日本語としてこなれていない感じのするところもあるが、その辺はまあご愛嬌だろう。

よくわかる「いま」と「これから」 農業と食料のしくみ

よくわかる「いま」と「これから」 農業と食料のしくみ


それにしても、以前にも何度か書いたように、恐怖は想像力の代償だ。あらためて実感した。世の中には知らない方が良いことというのがあるものだ。この本、特に後半の食肉に関する部分を読んだら、肉なんぞ食べられなくなる、かも知れない。けれど実際には人間というのは(少なくともわたくしは)便利にできており、大抵の人々には「喉元過ぎれば熱さ忘れる」という装置が組込まれている。したがって今日だってしれっとカツ丼なんぞを喰らうことができるのだ。
人間というのは業の深い生き物でございますな。