「響きあう脳と身体」が文庫になっていたようだ。自分では買わないが、Rさんに借りて読んだ。
- 作者: 甲野善紀,茂木健一郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/10
- メディア: 文庫
- クリック: 5回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
なんかいつも怒っている印象の茂木センセだが、この対談で主に怒っているのは甲野先生のほうだ。どうも、茂木センセが自分が怒るよりも他のを煽って怒らせたほうが面白くなるようだ。
やっぱりね、人間の身体ってのは複雑系でケイオティックなものなんですよ。だから、近代科学の要素還元主義的アプローチだけですべてを片付けようったってそりゃ無理があるわけだ。そのへんあたしも甲野先生の主張はよく理解できるですよ。
正ちゃん(正ちゃんていうな、池波正太郎先生だ)も「男の作法」の中で「人間というものは矛盾の塊だ」「人間そのものが理論的に成立しているものじゃない」と言ってるわけだし、中沢新一さんも「アースダイバー」で
人間の心のおおもとは、泥みたいなものでできているにちがいない。ぐにゅぐにゅと不定形で、スマートな思考をする部分とぼんやりした夢を見続けている部分とが、ひとつに混ざり合って、人間の心をつくっている。そういう心が集まって社会をつくっているわけだから、それをあんまりハードな計画や単一な原理にしたがわせると、どうしてもそこに歪みが生まれてくる。(p.11)
と書いている。ま、そういうことだよ(どういうことだ)。