加門七海さんのホラー小説って、そりゃもうめちゃめちゃ怖いのだけど、その一方でエッセイ(?)はなんだか変なテンションで妙に軽いというか。ほら、「うわさの神仏」シリーズですよ。
- 作者: 加門七海
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2010/03/19
- メディア: 文庫
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と思っていたのだが、この本では意外と(?)真面目というか何というか。そりゃまあ生身の人間を相手にしてるわけだから、そうそうはしゃいでばっかりはいられませんわな。
それにしてもディープですな。正直、(加門さんご自身も言っておられるように)こんなのテキストで読んだらどうしても「んなアホなことがあるかいな!」てなもんなのだけど。加門さんがあえて懐疑的な視点も織り交ぜながらその筋の人々にインタビューする、そして彼らの言うことはまあバラバラなわけだけども、それでも、「なんだかそーいうものはやっぱりあるのだ」ということを否定してしまうのはどうやらちょっと難しそうだ。それを肯定し、証明するのも同じくらい、いやそれ以上に難しいわけだけれども。
故・丹波哲郎氏が、「あるんだからしかたがない」と開き直ってしまったのもむべなるかな。