野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

やっぱり地続き?

加門七海さんのホラー小説って、そりゃもうめちゃめちゃ怖いのだけど、その一方でエッセイ(?)はなんだか変なテンションで妙に軽いというか。ほら、「うわさの神仏」シリーズですよ。

うわさの人物 神霊と生きる人々 (集英社文庫)

うわさの人物 神霊と生きる人々 (集英社文庫)


と思っていたのだが、この本では意外と(?)真面目というか何というか。そりゃまあ生身の人間を相手にしてるわけだから、そうそうはしゃいでばっかりはいられませんわな。
それにしてもディープですな。正直、(加門さんご自身も言っておられるように)こんなのテキストで読んだらどうしても「んなアホなことがあるかいな!」てなもんなのだけど。加門さんがあえて懐疑的な視点も織り交ぜながらその筋の人々にインタビューする、そして彼らの言うことはまあバラバラなわけだけども、それでも、「なんだかそーいうものはやっぱりあるのだ」ということを否定してしまうのはどうやらちょっと難しそうだ。それを肯定し、証明するのも同じくらい、いやそれ以上に難しいわけだけれども。
故・丹波哲郎氏が、「あるんだからしかたがない」と開き直ってしまったのもむべなるかな。