映画で観て衝撃を受けた「少年は残酷な弓を射る」、どうやら原作もあるようなのでこれはぜひ読んでみなければ、と思っていたのだが、やっとのことで着手できた。
- 作者: ライオネル・シュライヴァー,光野多惠子,真喜志順子,堤理華
- 出版社/メーカー: イースト・プレス
- 発売日: 2012/06/24
- メディア: ペーパーバック
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映画ではもひとつピンと来なかった登場人物のキャラクターなんかが、原作だとじっくり書き込まれているのでとてもよくわかる。エヴァが息子ケヴィンを産むに至るまでの経緯と葛藤も。そして夫のフランクリンの独善も、ケヴィンがエヴァに対して向ける悪意も、より純度が高く、密度が濃くなった感じで、読んでいて息がつまり気が滅入ってくるほどだ。
一方で映画の方もうまく作られているなと改めて感心する。原作にあるピースを取り出してふくらませるようなかたちで。映画のほうの感想にも書いたが、スーパーで(嫌がらせにより)割られた卵で作る殻だらけのオムレツとか、原作には無いトマト祭りの馬鹿騒ぎとか。
下巻ではケヴィンの妹も産まれ、物語はいよいよ緊迫感を増して行くんである。